パリと空港間の移動手段で一番高いのはタクシーや空港送迎サービスですが、大きな荷物のあるときにはやはり便利。節約を取るか便利さを取るか、悩みどころですね。
レッスンの内容
高いけど便利なタクシー
空港へ行くのに電車にもバスにも乗りたくなさそうな花子さん、今まではいったいどうやってパリ~空港間を移動していたのでしょうか?
会話
Marie : Si j’ai bien compris, tu n’aime prendre ni le RER ni le bus pour aller à l’aéroport.
わかったわ。あなたは空港に行くのにRERに乗るのもバスに乗るのも嫌いなのね。
Comment tu as fait quand tu es venue t’installer à Paris ?
パリに移住して来たときはどうしたの?
Hanako : J’ai réservé une navette sur le site japonais, car j’avais de grands bagages.
大きな荷物があったから、日本のサイトで空港送迎車を予約したのよ。
Il était très pratique, mais il n’est pas donné.
とても便利だったけど、安くはなかったわね。
Marie : Ca, c’est sûr. Sinon, tu sais ? Maintenant, il existe le forfait taxi entre paris et l’aéroport.
それはそうでしょうよ。ところで知ってる?今はパリと空港のタクシーパックがあるのよ。
Hanako : Oui j’en ai entendu parler à la télé. Dans la cinquantaine euros, si je me souviens bien.
ええ、テレビで話しているのを聞いたわ。私の記憶が正しかったら50ユーロ台だっけ。
Marie : Ce la reste encore cher, mais mieux qu’avant.
それでもまだ高いけれど、前よりましよ。
Hanako : Comme il y a toujours des bouchons à Paris, il était impossible de savoir en avance combien il fallait payer…
パリはいつも渋滞しているから、前もっていくら払わなければいけないか判らなかったものね。
ポイント
il n’est pas donné
「donné」は形容詞で「与えられた」の意味ですね。「与えられたようなもの→安い」という意味もあります。
文中の「il n’est pas donné」は「それは与えられていない」ではおかしいので「安くない=高い」という意味になります。
Sinon, tu sais ?
接続詞の「sinon」の基本の使い方は「A、そうでなければB」ですね。ところが口語ではそんな訳ではおかしい「sinon」が頻繁に登場します。
「ça, c’est sûr. Sinon, tu sais ? Maintenant ~」も「そうでなければ」と訳してしまうと意味が通じないですよね。
この口語の「sinon」は「ところで」と話の流れを変えたいときに使われます。文章では「or」「à propos」などを使ってくださいね。
le bouchon
「bouchon」はワインボトルなどの栓のこと。「 il y a toujours des bouchons à Paris」の「bouchon」は「渋滞」のことです。「embouteillage」ともいいますね。
「embouteillage」には瓶詰めすることという意味もあります。どちらにしてもフランス語で渋滞を表す単語には、ボトルに関係する言葉が使われているなんて面白いですね。
ちなみに美食の街Lyonの「bouchon」はビストロのこと。ビールなどの王冠は「capsule」です。
空港~パリ間のタクシー
定額制の導入
パリの空港からパリまでは何車線もある高速道路で繋がっているのですが、日中は渋滞していることがほとんど。パリをぐるっと囲む「périphérique 環状線」に近づくにつれ、どんどんひどくなっていきます。
タクシーに乗っていると、進まないのにどんどんメーターが上がっていくのはイライラするものですよね。
【料金は50~55ユーロ】
そんなパリのタクシー事情も2016年3月から導入されたパリ~空港間のタクシー定額制のおかげで、事前に金額がわかるようになりました。
その値段は「aéroport Charles de Gaule シャルル・ド・ゴール空港」から「rive droite 右岸」50ユーロ、「rive gauche 左岸」55ユーロとなっています。
予約をすると4~7ユーロの追加がかかりますが、大きい荷物にかかっていた追加料金は廃止されました。
闇営業のタクシーに注意
正規タクシーの乗り場は到着階にあり、タクシーのマークを辿っていくと見つけるのは簡単です。
そしてフランスのタクシーは日本のように黒塗りのセダンばかりでなく車種も様々ですが、屋根の上に必ず「enseigne 行灯」が乗っています。
そんなの当たり前でしょ?と思われるであろうことを説明したのは、フランスには非正規のタクシーもかなりの数居るから。
税関を出た辺りで乗っていかない?と声をかけられる場合があります。
【旅行中は危ない橋を渡らない!】
税金を払っていない彼らは正規タクシーより安い値段を提示してくるかもしれません。
しかし一度乗ってしまえばこちらのものとばかりに、到着時に最初に提示した値段より高い値段を請求される恐れが!
せっかくのパリ旅行をいやな気分でスタートしないためにも、タクシーに乗るなら必ず正規タクシーに乗るようにしてくださいね。
*2017年3月の情報です。