フランスの夏は日本と比べカラッとしていて比較的過ごしやすいのですが「canicule」と呼ばれる酷暑がやってくることがあります。
そんなフランスの「canicule」とは一体どんなものなのか覗いてみましょう。
レッスンの内容
酷暑の中の待ち合わせ
真夏のある日、花子さんとマリーさんは外で待ち合わせ。待ち合わせ場所に向かっている花子さんに、マリーさんから電話がかかってきたようです。
会話
Hanako : Allô. Bonjour Marie.
もしもし、こんにちは、マリー。
Marie : Bonjour Hanako. Dis, tu arrives dans combien de temps ?
こんにちは、花子。ねえ、あなた、あとどの位で着くかしら?
Hanako : Bah, j’arrive dans un quart d’heure, à peu près à l’heure du rendez-vous.
ええっと、15分で着くわよ。大体約束の時間ね。
Marie : En fait, j’y suis déjà arrivée.
あのね、私、もう着いちゃったのよ。
Comme il fait très chaud ici, je préfère t’attendre dans un endroit climatisé.
ここはとっても暑いから、クーラーの効いた場所であなたを待っていたいのだけど。
Hanako : Ok, sans problème. On aurait dû bien réfléchir un lieu de rendez-vous sous cette chaleur caniculaire…
Ok、問題ないわよ。こんな酷暑の中だし、約束の場所をしっかり考えなければいけなかったわね。
Marie : On dirait qu’il fait plus de trente cinq degrés cet après-midi.
今日の午後は、35度以上になるそうよ。
Hanako : On est en pleine canicule… Installe-toi au café et prends quelque chose de frais.
暑さの真っ盛りだものね… カフェに入って、何か冷たいものでも飲んでいてよ。
Je crois qu’il me faut aussi une petite pause en arrivant !
私も到着したら、ちょっと休憩が必要だわ!
ポイント
climatisé
「climatisé」とは「空調の効いた」という意味。「climatisation 冷暖房」「climatiseur 冷暖房装置」なども同時に覚えてしまいましょう。
フランスでは冷房設備があるお店が少なく、カフェやレストランでも暑い!なんてことが良くあります。
そのため冷房がある場合は「climatisé」とわざわざ表示されていることが多いので、しっかり涼みたい…なんて時には、入り口あたりをチェックしてみてくださいね。
フランスの酷暑「canicule」
「canicule」とは「厳しい暑さ(の期間)」を指す言葉です。形容詞だと「caniculaire」となり「暑い盛りの」の意味になります。
一般的には湿気が少なく、日本よりも過ごしやすいのがフランスの夏。そんなフランスにおける 「厳しい暑さ」とは、どれほどの暑さなのでしょうか?
最低期間は3日間
一般的に「canicule」や「caniculaire」という単語を使うときは「とても暑い」ということを表現したい場合ですが、天気予報やニュースなどで「canicule」と使われる場合は、厳密な定義があります。
その定義とは「3日間連続で昼と夜の気温が共に高いこと」。
つまり、1日だけとても暑かったり、昼は暑くても夜の気温が低い場合には「canicule」という表現は使われないというわけです。
【vague de chaleur】
- vague 波
- chaleur 暑さ
暑いけど「canicule」と呼べない条件下では「vague de chaleur」という表現が良く使われます。
気温
3日間連続で暑いことが「canicule」と呼ばれる条件ですが、その気温は地域によって差があります。
南フランスなど暑い日の多い地域では「canicule」と呼ばれるための気温設定が高く、暑さに慣れていない北フランスでは低く設定されています。
例えばパリだと「昼 31度・夜21度」以上、南のマルセイユなら「昼35度・夜24度」以上と昼夜共に、4度の違いがみられます。
日本だと夜でも30度以上が続くこともあるので、それと比べると日本人には「canicule」といえど比較的過ごしやすく感じるものです。
しかしクーラーが常備されていない一般家庭での夜は、やはり寝苦しいもの。フランスより暑くてもクーラーのある日本の家のほうが、酷暑の時期は乗り越えやすいかもしれませんね。