フランスでニュースを見ていると、時々日本語がそのまま使われていることがあります。
なんとも悲しい単語であることもあるのですが、いったいどんな日本語なのか見てみましょう。
レッスンの内容
ニュースで耳にする日本語
お昼のニュースで日本語を耳にしたマリーさん、他にはどんな日本語を知っているのでしょうか?
会話
Marie : Tu as regardé le journal de ce midi ?
お昼のニュース見た?
Il y a encore un kamikaze au Moyen-Orient.
中東でまた自爆テロがあったみたいよ。
Hanako : Oui, j’en ai entendu parler.
ええ、聞いたわ。
Et aussi un risque d’un tsunami en Asie.
アジアの国で津波の危険もあるみたいね。
Marie : Hier, on a parlé du karoshi…
昨日は過労死について話していたわ。
Hanako : Ah !làlà ! Comme si tous les malheurs du monde sont d’origines japonaises !!
あらあら!まるで世界中の不幸が日本産みたいだわ!!
Marie : Oh, ne t’en fait pas. Je connais autre chose.
まあ、大丈夫よ。私、他の日本のことも知っているもの。
Hanako : Comme quoi ?
例えば?
Marie : Par exemple, un judoka français a récemment gagné un titre international.
例えば最近、フランス人の柔道家が国際的なタイトルを取ったわ。
Hanako : En France, on dirait qu’il y a beaucoup de licenciés.
フランスにはたくさんの柔道ライセンスをとっている人がいるみたいね。
Marie : Le karaté et l’aïkido sont aussi pas mal pratiqués.
空手や合気道も結構する人がいるわよ。
On a parlé aussi le bienfait de chanter, le karaoké.
歌を歌うことの効果も話していたわ。カラオケね。
Tien, je sais qu’au bar du coin, on organise une soirée karaoké.
そうだ、近所のバーでカラオケパーティーがあるのよ。
On y va chanter ?
歌いに行かない?
ポイント
le journal
「le journal」はそのままだと「新聞」を意味することが多いですが、後ろに「télévisé テレビの」や「de ●●heures」をつけると「ニュース番組」を意味します。
大手のテレビ局のニュース番組は昼(12時/13時)と夜(19時/20時)に始まります。
「présentateur ニュースキャスター」は当然発音がすばらしいので、単語は難しくても意外と聞き取りやすいもの。
フランス語の勉強には「le journal」を見るのがおすすめです。
le Moyen-Orient
「orient」は「東洋」のことなので「moyen 真ん中」が付くと中東のことです。
日本の地図は日本が中心に来るので、西に位置するのに「中東」とは変な呼び方だなと思ったことはありませんか?
le Proche-Orient 近東
le Moyen-Orient 中東
le Extrême-Orient 極東
フランスの地図を見るとその謎の回答は一目瞭然。ヨーロッパを西とすると、東洋は東に位置しますね。そうすると上記の呼び名もしっくりときます。
ちなみに日本は「l’Extrême-Orient」です。
licencié
フランス語を勉強しているなら大学の学位の名称を知っている人も居ることでしょう。そう「licencié 学士」ですね。学士号は「licence」です。
この単語にはもう1つ「許可・スポーツのライセンス」の意味がありますね。会話で登場しているのは後者ですので、柔道の学士ではなく「(柔道の連盟への)登録選手」です。
ちなみに「licencié」は形容詞だと「解雇された」の意味になるのでご注意を。
悲しい日本語
kamikaze
フランスでは自爆テロ(をする人)のことを神風「kamikaze」と呼ぶことがあります。
フランス語だと「attenta-suicide」ですが、こちらは自爆テロ自体を指します。自爆テロを起こした人のことは「un homme qui a commis un attenta-suicide」と長くなってしまいますね。
そのためか、残念ながら耳にすることが多い単語といえるでしょう。発音は「カミカーズ」、「e」にアクセントはつきません。
tsunami
こちらも天災が起こるとニュースで必ず耳にするといっていいでしょう。「津波」ですね。
「raz de marée」というフランス語もあるのですが「tsunami」の方が使用されているように感じるのは、日本語のため耳に入って来やすいからでしょうか?
karoshi
日本人は働きすぎとはよく言われますが、フランスの社会も近年の経済悪化と共に人員削除やプレッシャーなど、ストレスのたまる環境になりつつあるようです。
そのせいか「karoshi 過労死」も、身近に起こりえるテーマとして取り上げられることがあります。
スポーツの日本語
フランスでは日本の「arts martiaux 格闘技」が大人気。柔道を始め空手や合気道も道場に通う人が多くいます。
○○ka
柔道などをする人を○○家と呼びますが、フランスでも同じように「○○ka」と表します。
Ju-jitsu
「Ju-jitsu」もしくは「ju-jutsu」は「柔術」本来は柔道や合気道などを指す言葉です。
フランスで「Ju-jitsu」というとブラジリアン柔術を指すようで「Je pratique le judo et le ju-jitsu 柔道と柔術をしています」と言われたら、同じじゃないの?と日本人なら悩んでしまいそうですね。
Kimono
「j’ai un kimono 着物を一枚持っています」なフランス人は実はかなり多いもよう。それは柔道着のことをフランス語では「kimono」と呼ぶから。
着物のように前で重ね合わせるスタイルを「kimono」と呼ぶこともあり「着物持ってるのよ、見て見て!」と言われて見てみると、なんだかセクシー路線だったなんてオチにも出会えますよ。