大人になると忙しくて自分の誕生日を忘れてしまっていた…なんてことになりがちですが、フランスでは大人だって自分の誕生日を忘れたりはしません。
今回はそんなフランス人の誕生日事情を覗いてみましょう。
レッスンの内容
誕生日前日はケーキ作り
会話
今日の花子さんはマリーさんに午後からのお誘い電話をかけているようです。ところがマリーさんは何やら忙しいようで…
Hanako : Je compte aller à l’exposition d’une amie japonaise cet après-midi.
今日の午後、日本人の友人の展覧会に行くつもりなの。
Tu veux venir avec moi ?
一緒に行かない?
Marie : J’aimerais bien, mais je suis un peu occupée cet après-midi.
そうしたいけど、この午後はちょっと忙しいの。
Hanako : C’est dommage. Tu vas quelque part ?
残念だわ。どこかに出かけるの?
Marie : Non, je ne sors pas. Je dois préparer des gâteaux pour l’anniversaire de mon mari.
いいえ、出かけないわ。夫の誕生日のためにケーキを準備しないといけないの。
Hanako : Ah oui, c’est demain son anniversaire !
ああ、そうだわ、彼の誕生日は明日だったわね!
Marie : Il veut apporter des gâteaux fait maison à son travail.
自家製ケーキを仕事に持っていきたいんだって。
Hanako : Je le comprends. Ils sont très bons tes gâteaux.
わかるわ。あなたのケーキはとても美味しいもの。
Alors, bon courage, et dis lui bon anniversaire de ma part !
じゃあ、 頑張ってね。あと彼にお誕生日おめでとうって伝えてね。
ポイント
dis lui bon anniversaire de ma part
「dis lui ~ de ma part」は「彼に私からの~を伝えて」という表現です。「dis」は「dire 言う」の命令形、「de ma part」は「私からの」の意味です。
「bon anniversaire 誕生日おめでとう」の部分を「bonjour」に変えれば「よろしく伝えて」という意味になります。

誕生日ケーキは自分で用意
日本では自分のお誕生日といえばお祝いしてもらう日。自分の誕生日に自分でケーキを用意すると聞くと、なんだか寂しい気がしてしまいますね。
ところがフランスでは自分の誕生日に自分でケーキを用意して仕事場に持っていく習慣があります。
もちろんパーティーをするわけではなく、持って行ったケーキを休憩時間などに食べるだけですが、日本人からみると、大人の誕生日を会社で祝うというのもなんとも不思議な習慣に感じてしまいます。
ケーキ以外ではパン・オ・ショコラやクロワッサン等を持っていき、朝のコーヒータイムに職場の皆で食べることもあるようです。
自分の誕生日にケーキを持っていくなんて、お祝いして!と言っているようで恥ずかしく感じるかもしれませんが、これがフランス式のお誕生日。
職場でなくても、フランス人の友人がいるなら自分でケーキを準備して、誕生日をお祝いしてもらうのも良いかもしれませんね。
子どもの誕生日は学校にケーキ
大人になると職場に自分でケーキを持っていきますが、自分の子どもの誕生日には学校にケーキを持って行ってお祝いしてもらいます。
クラスの人数分の量が必要なので、2~3台用意する必要があることも。
フランスでは当たり前の習慣なので、わざわざケーキを用意するように先生から声を掛けてもらえないこともあるようです。
日本にはない習慣なので、お子様がフランスの学校に行く場合はケーキの用意を忘れないようにしてくださいね。

喜ばれるのは手作りケーキ
そんなお誕生日に持っていくケーキの定番は、焼きっぱなしのガトー・オ・ショコラ、パウンドケーキ、リンゴのタルトなど簡単に手作りできるもの。
逆にたっぷりのクリームを使ったケーキなどを持ってくる人は少ないようです。
ケーキは持ち運びが大変そうに感じますが、フランスでは焼き型に入れたままのケーキを持って行っても全く問題ありません。
確かに見た目はラッピングされたものに劣りますが、味が良ければ問題なし!手抜きしている …センスがない…なんて思われる心配もありません。
そしてフランスでは市販のケーキより手作りの方が喜ばれる傾向があります。仕事場に手作りケーキなんて…という日本での感覚は忘れて、堂々と手作りのものを持っていきましょう。