日本とフランスが文化が違うため、日本語にある表現でも、しっくりくるフランス語表現がないことがあります。
今回はそんな表現の中から、日常生活に欠かせない挨拶について覗いてみましょう。
レッスンの内容
行ってきます
家を出る時や仕事中に出かける時など、「行ってきます」という日本語は毎日よく使いますよね。ところがフランス語には、この「行ってきます」というような出かける時の決まり文句がありません。
出かける人がその場に残る人に使う挨拶表現は下記のようなものです。
J’y vais. 行きます / 出かけます。
Je sors à 〇〇. 〇〇へ行きます。
Je pars. 出発します。
À ce soir. また今晩。
À tout à l’heure. また後で。
J’y vais, à ce soir. 出かけるよ、また今晩ね。
という感じで、自分が出かけること、次いつ会うか(ce soir 今晩、tout à l’heure 後で)を伝えるのが一般的です。
その後に親しい間柄なら「Bisou キス」を加えると良いでしょう。
いってらっしゃい
「いってらっしゃい」は「行ってきます」と比べて、更にしっくりくるフランス語表現がありません。
「À ce soir.」と言われたら「À ce soir.」と同じように返す、場合にによっては「Fais attention. 気を付けてね」を加えるという感じです。

ただいま
帰ってきたとき日本なら「ただいま」ですが、フランス人はなんというのでしょうか?
Je suis là. 私はここです。
C’est moi. 私です。
Je suis de retour. 戻ってきました。
Salut. やあ。
鍵を開けて入ってきて、家の中に向かって「Je suis là」「C’est moi.」と言う感じですね。
仕事場に帰ってきたときなら、部屋に入りながら「Je suis de retour.」というと、日本の「ただ今戻りました」というニュアンスに近くなります。
おかえり
では帰ってきた人に「Je suis là」や「Salut」と挨拶された時に何と答えれば良いでしょうか。
Ça été ta journée? 良い一日だった?
Ça été la réunion? 会議はどうだった?
というように「Ça été 〇〇? 良い〇〇だった?」という表現が便利です。
もちろん「Salut」と返すだけでも大丈夫です。

いただきます
食事の前の「いただきます」という表現もフランスにはありませんが「Bon appétit」という表現があります。
「bon 良い」「appétit 食欲」なので、「良い食欲を=沢山召し上がれ」という感じで、自分以外の人に対して使います。
食事に感謝するというニュアンスとは違いますが、「Bon appétit」と言い合ってから食事をスタートさせましょう。
この「Bon appétit」はだれか相手に対して言う表現なので、自分一人で食事するときは時に何も言わずに食事を始めることになります。
ごちそうさまでした
フランスで食後に「ごちそうさまでした」と言いたいときは何といえばよいのでしょうか。
食事を作ってもらった人が作ってくれた人にお礼を伝えたり、食事に招待された場合に使える表現はこちらです。
Merci pour ce repas. この食事をありがとう。
C’était très bon. とても美味しかったです。
レストランなのに招待してもらった場合の「ごちそうさま」には下記の表現も使えます。
Merci pour l’invitation. ご招待をありがとう。
上記の表現は食事を作った人が使うものではないので、作った人は食後に「ごちそうさまでした」というような締めの言葉を言うことはありません。
お粗末さまでした
日本では食後の「ごちそうさまでした」に「お粗末さまでした」と返事をすることもありますが、謙遜なんてしないフランス人ですから、こんな表現もありません。
食事に対するお礼の言葉を言われた場合は、下記のように返事をすると良いでしょう。
Avec plaisir. どういたしまして。
Ça été? 大丈夫だった?
Ça te plaît? 気に入った?
Tu as bien mangé? たくさん食べた?
まとめ
「行ってきます」や「ただいま」、「いただきます」など、日本人の日常生活に欠かせない単語に該当する単語がないとなると、なんと言えば良いのか困ってしまいますよね。
特定の表現が無くても、何か言わないと気持ちが悪いという人もいることでしょう。
そんな時は日本の表現にとらわれず、フランス人が使っているような表現をどんどん取り入れてしまうのがおすすめです!