セーヌ川の増水が心配!パリの災害対策と le Zouave という像に迫る

    1. フランス旅行・観光

    雨が続くと心配になるのが川の増水、そして洪水です。普段は穏やかなセーヌ川も、時には増水がニュースになることもあります。

    今回はそんなセーヌ川の増水について覗いてみましょう。

    セーヌ川の増水

    今日の花子さんとマリーさんはパリのカフェでお茶を楽しんでいます。ところが雨が降り出したようで…

    会話

    Marie : Ah, il commence  encore à pleuvoir.

    あぁ、また雨が降り出したわ。

    Hanako : Il pleut quasiment tous les jours cet hiver.

    この冬はほとんど毎日雨が降るわね。

    Marie : Oui, je me demande si c’est à cause du réchauffement climatique…

    そうね、これも地球温暖化のせいなのかしらね。

    Hanako : C’est possible. Mais pour l’instant, je m’inquiète de la crue de la Seine.

    そうかもね。でも今はセーヌ川の増水が心配だわ。

    Tout à l’heure, j’ai traversé le pont de l’Alma et les quais sont complètement inondés.  

    さっき、アルマ橋を渡ったのだけど、河岸は完全に浸水していたわよ。

    Marie : Tu as vu le Zouave ?

    「Zouave」を見た?

    Hanako : Oh là là, le pauvre Monsieur ! Il est submergé jusqu’aux cuisses !

    あらら、お気の毒なムッシュー!太ももまで水没していたわ!

    Marie : En tout cas, le pic de crue est déjà annoncé, on n’a qu’à attendre la décrue…

    なんにしても、増水のピークは告げられたし、減水を待つしかないわね…

    フランスフランスの背景に建物がある川にかかる橋。

    ポイント

    quasiment

    quasiment」は話し言葉で「ほとんど」という意味です。

    パリの位置する北フランスの冬は、曇り~雨模様の日が多く「quasiment tous les jours ほとんど毎日」雨が降ることも。

    ちなみにフランスの傘は高いうえに壊れやすいものが多いので、日本から忘れずに持ってくることをおすすめします。

    quai

    quai」は「(駅の)プラットホーム」や「川岸・河岸」などを意味しますが、川沿いに走る通りの名前としても使われます。

    crueとdécrue

    雨が降り続くと、気になるのが川の増水ですよね。フランスも例外ではなく、川の増水や、それに伴う洪水がニュースになることがあります。

    洪水の恐れがある時、ニュースでよく耳にするのが「crue」と「décrue」で、「crue」は「増水」、「décrue」は「減水」を意味します。

    そして川の「crue」が続くと、今度は「pic ピーク」はいつかも気になりますよね。そのため「pic de la crue 増水のピーク」についても、よく耳にします。

    La seine est en crue, son pic serait prévu ~.

    セーヌ川は増水しています。ピークは~と予想されています。

    pic」の後は川の「décrue」を待つわけですが、一朝一夕に水が引くわけではないので、しばらくは川の「quai」や標高の低い地区の浸水が続いてしまいます。

    Le pic est annoncé, mais la décrue serait lente.

    (増水の)ピークは告げられましたが、減水には時間が掛かるでしょう。

    フランスの橋の下の水中に立つ男性の像。

    パリの le Zouave 

    le Zouave とは

    le Zouave」とは19世紀・フランス軍のアルジェリア歩兵の事。丸く膨らんだズボンと幅広の布ベルト、ボタン無しの短いベストというコスチュームが特徴です。

    そんな「le Zouave」、セーヌ川が増水すると必ずニュースに登場しますが、その理由は「le pont de l’Alma アルマ橋」にありました。

    Zouave du pont de l’Alma

     「le pont de l’Alma アルマ橋」の右岸側の橋脚の1つに、この「le Zouave」の像が設置されています。

    そのためセーヌ川が増水すると、どこまでこの像が浸水したかで、増水の分かりやすい指針になるというわけです。

    確かに水深が何メートル、といわれるよりも分かりやすいですが、なんとも気の毒ですね。

    セーヌ川の通常の水量だと「le Zouave」の足と台座は水面よりも上にあり、その状態を「Les pieds au sec 足は乾いている」といいます。

    逆に水量が増え、足が水に浸かってしまうと「Les pieds dans l’eau 足は水の中」といわれます。

    そして「crue」が進むにつれて「le Zouave」の体のどこまで浸水したかが報道されます。

    過去には1910年に肩まで水没したことがあり、セーヌ川の「crue」のたびに1910年の増水に比べて~と比較写真も見ることが出来ます。

    セーヌ川の増水で困ること

    パリの中心を通るセーヌ川が増水すると、洪水にはならなくても困ることがいくつかあります。

    例えばパリのメトロ。特にセーヌ川沿いを走っているRER C線は運行中止になる危険が高いです。

    カーブのあるアパートに住んでいる場合は、カーブが浸水してしまう場合もあります。

    そして観光客に人気の「bateau-mouche」も、橋の下に十分な高さがなくなるため、運行中止になってしまいます。

    雨に濡れたパリも情緒があって素敵ではありますが、セーヌ川の「crue」は出来れば起きて欲しくないものですね。

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