フランスの春の味③苺

    1. フランス食べ物

    フランスで苺は旬の春以外には、めったに見かけない果物です。甘酸っぱくて春の香りがいっぱい、そんな苺をフランス人はどのように食べているのでしょうか?

    デザートに苺

    今日の花子さんはマリーさんのお家でランチをご馳走になっています。食後に甘いものが欠かせないフランスの、春らしいデザートといえば?

    会話

    Hanako : Humm, c’était bien bon comme d’habitude. J’ai trop mangé !

    ん~、いつも通りとっても美味しかったわ。食べ過ぎちゃった!

    Marie : Merci, mais il y a encore le dessert.

    ありがとう。でもデザートもあるのよ。

    Hanako : On peut faire une petite pause avant le dessert ?

    デザートの前に、ちょっと時間をおきましょうよ。

    Marie : Je crois que ce n’est pas nécessaire. Aujourd’hui, c’est juste des gariguettes.

    大丈夫だと思うわ、今日はガリゲット(苺の種類)だけだから。

    Hier, je suis allée les cueillir en libre cueillette. Elles sont très bonnes ! 

    昨日、苺を摘みに行って来たの。とても美味しいのよ!

    Hanako : C’est super ! Ca me donne envie de les gouter tout de suite.

    ステキ!すぐに食べたくなるわね。

    Marie : OK, si tu veux, il y a de la crème chantilly.

    Ok、良かったらホイップクリームもあるわよ。

    Hanako : Faite maison ?

    自家製?

    Marie : Non, désolée, elle est en bombe.

    いいえ、ごめんね、ボンブのなの。

    Hanako : Ce n’est pas grave.  En tous cas, j’adore les fraises !

    大丈夫よ、どちらにしても苺は大好きだもの!

    ポイント

    la crème chantilly

    フランスを思わせる草原の中に建つ華麗な城。

    la crème chantilly」は泡立てた生クリームのこと。「chantilly」はパリの北部にある「château de chantilly シャンティイー城」のことで、ホイップクリーム発祥の地といわれています。

    crème fouetté」とも呼び、この「fouetté」は「泡立てられた」の意味。直訳すると「泡立てられた生クリーム」とそのままですね。

    ちなみにショートケーキなどに使われる生クリームを、フランス語では「crème liquide 液体のクリーム」と呼びます。

    クリームの仲間には「crème fraîche フレッシュなクリーム」と言う名称のものがありますが、こちらは日本で言う生クリームとは別物!

    勘違いしやすいので、お買い物の際には気をつけてくださいね。

    faite maison

    会話文なので短縮されていますが、丁寧に表現すると「crème chantilly  faite maison ? 自家製ホイップクリーム?」。

    この「faite」は「faire する/作る」の形容詞形「fait」の女性系で、形容されるのが「la crème chantilly」なので、女性系の「e」が付いています。

    この「fait(e) maison」は「自家製の」という意味です。レストランなどでも良く見かける表現なので覚えておきましょう。

    en bombe

    en bombe」は「ボンブ/スプレー入りの」という意味です。「chantilly en bombe」で「ボンブに入った生クリーム」、つまり泡立て不要のお手軽ホイップクリームのこと。

    フランスのクリーム売り場にはこの「bombe」が数種類もならび、乳脂肪の少ないカロリーオフ・バージョンなども選べます。

    美味しいのは「crème chantilly faite maison」のほうですが、手軽さが人気なのかデザートの添え物としてよく使われているようです。

    春を告げるgariguette

    フランスのガラスボウルのたすトロベリーアイスクリーム。

    gariguette」はフランスで人気のある「fraise 苺」の一種で、3月の終わりごとから出回る早生種です。

    小粒ですが香豊かで、甘みも酸味も揃った「gariguette」はフランス人も大好き。早生なので価格は高めですが、見かけたらついつい購入したくなってしまいます。

    苺の販売形態

    スーパーなどで見かける苺は「barquette トレイ/容器」、少し高級な苺は「panier かご(紙のものですが)」などに入って売られています。

    日本でも見かける光景ですね。

    ところがマルシェにいくと、びっくり!なんと苺が裸のまま山積みになって売られていることがあります。

    それを売り子が袋に詰めるのも、大きなスコップでざっくり掬って、ざらざらっと袋に流しいれてしまいます。

    もちろんそんな扱いをされる苺は外国産の価格の安いものばかりですが、初めて目にするとなかなかにショッキングな光景ですよ。

    フランス式・苺の食べ方

    日本で人気の食べ方は苺+練乳でしょうか?糖度の高い苺も多いので、そのままが一番美味しいかもしれませんね。

    もちろんフランスにもそのままで美味しい苺はあるのですが、山積み苺に限らず扱いが日本より雑なのでしょうか。表面が当たって痛んでいる場合が多く、そのまま頂くにはちょっと…と思ってしまいます。

    そんな苺は洗ってヘタをとったら、たっぷりのお砂糖をまぶしてジャムっぽくなるまで置いておくのがフランス式。

    それを器に盛り「chantilly en bombe」を添えればデザートの出来上がりです。

    フレッシュな美味しさは味わえませんが、安い苺をたっぷり食べたい、なんて時には良いのかもしてませんね。

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