旅行や留学でフランスに滞在する予定があれば知っておきたいフランスのコスメ事情。
「フランス・コスメ用語」の第2回目は、フランスのコスメ界にもはや欠かせないキーワード「bio」についてです。
レッスンの内容
フランスで大人気のビオ・コスメ
コスメ大国フランスで大人気なのが無農薬で栽培された植物を原料とするビオ・コスメ「cosmétiques bio」。
フランスのビオ・コスメのブランドは相当な数にのぼり、アイテム数もとにかく豊富。
もともとスキンケア商品が豊富なフランスですが、専門店だけでなく普通の薬局やスーパーでも、カラフルでおしゃれなパッケージに包まれた様々なビオ・コスメを見つけることができます。
日本でもオーガニックの人気が高まっていますが、フランスのコスメにおいて「bio」は決してマイナーな存在ではなく、とてもポピュラーで身近な存在。
むしろ「bio」であることは商業的に最大の売りになっている、と言えるほどです。
ビオ?オーガニック?
ところで、「ビオ」と「オーガニック」という二つの言葉、似たような意味に感じるけれど一体どう違うんだろう?と思ったことはありませんか?
日本では有機、無添加の食品や化粧品に対しては「オーガニック」という言葉のほうが一般的ですね。
「ビオbio」は英語読みすると「バイオ」で「biologique」の略。日本人の日常的な感覚では、「バイオ」は化学の用語というイメージがあります。
ところがフランス語ではその関係が逆転、フランス語の「オーガニックorganique」という形容詞は、「炭素分子の」という意味の化学用語。
「有機栽培」や「無添加の食品、コスメ」を指す形容詞は「ビオ biologique(または略してbio)」と言う、という訳です。
「bio」 を使ったフランス語の表現いろいろ
有機農法 |
agriculture biologique |
有機農産物 |
produits agricoles biologiques produits bio |
オーガニック・コスメ |
cosmétiques bio |
無農薬・無添加食品を食べる |
manger bio |
ビオ製品を選んで購入する |
consommer bio |
ビオ製品を選んで購入する消費者 |
consommateurs bio |
「bio」はコスメだけでなく、生活スタイル全般に関わるキーワードなのですね。
ちなみに「bio」と略した形を使う場合に前の名詞が複数形であっても「bio」に複数の「s」は付きません。
また、上の例にあるように、動詞のconsommer(消費する)やmanger (食べる)に「bio」という形容詞を付けて、「ビオ製品を買う、食べる」という言い方もすることができます。
フランスのビオ・コスメ市場
2008年のフランスの統計では、ビオ・コスメの市場規模は2・5億ユーロ。これは前年の2007年に比べて20パーセントも拡大したということです。
ビオ・コスメがコスメ市場全体に占める割合は2010年から2012年にかけては10パーセント、専門家の予想ではその後5年間で30パーセントを占めるということです。
「余計なものをそぎ落として、“素”の自分を引き立たせるのが最も魅力的」というフランス人の美学にもぴったりフィットしたビオ・コスメの人気は今後ますます高まってゆくことでしょう。