フランスが愛するスイーツ、ショコラ。世界的ショコラティエが創造性を競うために集うパリ発祥のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」の存在はよく知られていますね。
スイーツをテーマに学ぶフランス語の2回目は「ショコラの楽しみ方」です。
レッスンの内容
ショコラは芸術
ショコラを愛するフランスのファッションデザイナー、ソニア・リキエルが語るショコラの正しい楽しみ方とは?
Les beaux chocolats il faudrait les numéroter comme des chefs-d’oeuvre, des sculptures, des épreuves d’artiste
見事なチョコレートというものは、優れた芸術作品、彫刻、版画のようにナンバリングされるべきものだろう。
et les déguster doucement en buvant du thé de Chine fumé, en écoutant du Mozart.
それを中国の燻香茶を飲みモーツアルトを聴きながら、静かに味わなくてはならない。
- numéroter …番号を付ける
- chef-d’oeuvre …(m.)傑作、名作
- sculptures …(f.)彫刻
- épreuves …(f.)版画
- déguster …~を味わう
- doucement …静かに、ゆっくりと、穏やかに
- en buvant du thé …お茶を飲みながら
- fumé …燻製した
- en écoutant du Mozart …モーツアルトを聴きながら
少々長い文ですが、彼女にとってチョコレートを味わうことは芸術作品を堪能するに等しいようですね。
「il faudrait …」は「il faut …」(~しなければならない)の条件法現在形です。条件法現在形には「~だろう」と語気を緩和する働きがあります。
基本の形容詞にも注意!
「les beaux chocolats」 とは「美しい」ショコラではなく「見事な、優れた、素晴らしい」ショコラという意味です。
「beau(belle)」という形容詞には、「美しい」だけでなくこのような意味もあります。
同様に、基本の形容詞で注意すべき意味を持ち会話の中で良く使われるものには、例えば「petit(e)」があります。
Tu veux un petit café?
コーヒーでもどう?
Merci pour ton petit message!
メッセージをありがとう!
最初の例は「ちょっと一杯」というニュアンス、二つ目の例は愛情や親しみの意味を表しています。
このようにごく基本の形容詞も意外と知らない意味を知るためには、辞書をよく読む習慣をつけることをお勧めします!
意味を想像しやすい-er動詞
「numéroter(ナンバリングする)」という動詞は、名詞「numéro ((m.)番号)」に 「–er」が付いた形です。
フランス語は英語と異なり名詞と動詞が同形ということがありませんが、その代わりこのような形の動詞が色々とあります。
意味が想像しやすく、おまけに「-er」動詞なので活用も簡単ですね。同じような動詞をいくつかご紹介します。
passionner
passionner …~を熱中させる < passion …(f.)情熱、熱中
La musique le passionne.
彼は音楽に熱中している
paniquer
paniquer …~を慌てふためかせる、パニックにさせる < panique …(f.)狼狽、パニック
Ne panique pas!
慌てないで!
impressionner
impressionner …~に強い印象(感銘、感動)を与える < impression …(f.)印象、感動、感銘
Ça m’impressionne!
圧倒されるなあ!
便利なジェロンディフ
後半の「en buvant du thé」と「en écoutant du Mozart」 は「ジェロンディフ」という形です。
ジェロンディフには色々な意味・用法がありますが、ここではそのうちの一つ「~しながら」という同時性の意味を表しています。
Je prends le petit déjeuner en écoutant la radio le matin.
毎朝ラジオを聴きながら朝食を食べます
Ne parle pas en mangeant!
ものを食べながらしゃべらないで!
この形はとても便利なので、是非マスターして会話で使ってみてくださいね。