フランスではクリスマスは家族で、お正月は友人と過ごすと聞いたことがありませんか?日本とは真逆の文化なのが面白いですね。
レッスンの内容
大晦日の予定
年末はクリスマスに大晦日とパーティーの準備に大忙し。マリーさんと花子さんはどんな年末を過ごすのでしょうか?
会話
Marie : Est-ce que tu as déjà décidé ce que tu fais au réveillon de la Saint Sylvestre ?
大晦日は何をするかもう決めた?
Hanako : On va au Japon. Pourquoi ?
日本に行くの。どうして?
Marie : J’organise la fête de fin d’année chez moi.
家でパーティーの計画を立てているの。
J’aurai aimé que vous seriez avec nous, mais tant pis.
あなたたちにも来てほしかったのだけど、仕方がないわね。
Hanako : Merci quand même pour l’invitation.
でも、招待してくれてありがとう。
Mon mari a pris quelques jours de congés pour rendre visite à nos familles.
家族を尋ねるために、夫が何日か休みを取ったのよ。
Marie : Pourquoi vous n’y allez pas à Noël ?
どうして、クリスマスに行かないの?
Hanako : Au Japon, c’est au nouvel an où on se retrouve en famille.
日本ではお正月に家族で集まるのよ。
Marie : Pas à Noël ?
クリスマスじゃなくて?
Hanako : Non, pas à Noël. On passe souvent en amoureux à Noël.
いいえ、違うわ。クリスマスは恋人と過ごすのよ。
ポイント
tant pis
「tant」は「非常に/たくさんの」という意味の副詞ですね。同じく副詞の「pis」と一緒にすると「(残念だが)仕方がない」の意味になります。
この「pis」は「mal 悪く」の比較級ですが、「tant pis」などの成句表現以外では見かけることの少ない単語です。
かわりに「pire」(mauvais 悪い の比較級)を使うほうが一般的ですね。
merci quand même
「merci quand même」は何か断るときに使えるフレーズです。
文中の花子さんのように「誘ってもらったけれど、行けない。でもありがとう」と伝えたいときに便利ですよ。
「ありがた迷惑、でも相手が良かれと思ってやってくれたのがわかる」なんてときにも使ってみましょう。
rendre visite
「visite」は「訪問」という意味の名詞です。動詞では「visiter」になりますが、こちらは「(場所を)訪れる/見学する」と若干ニュアンスが違います。
人を訪ねる・会いに行くという場合は、「rendre visite」や「faire une visite」という表現を使ってください。
Pendant mon voyage à Paris, j’ai visité beaucoup de monuments historiques.
パリ旅行の間、たくさんの歴史的建造物を見学した。
Est-ce que je peux te rendre visite ce week-end ?
今週末、あなたに会いに行って良い?
en amoureux
「amour」は皆さんご存知「愛」ですね。「amoureux」は形容詞で「恋をしている」という意味になります。
「en amoureux」は恋人同士で過ごすこと。もちろん夫婦でもOKです。
イブと大晦日
réveillon
日本ではクリスマスの前日をクリスマス・イブ、元旦の前の日を大晦日と呼びますよね。
ところがフランス「réveillon de Noël クリスマスイブ」「réveillon du jour de l’An」とではどちらも「réveillon」と同じ単語を使って表現します。
Saint Sylvestre
文中には「réveillon de la Saint Sylvestre」とありますが、こちらも同じく大晦日のこと。
キリスト教では毎日の聖人が決められています。大晦日の聖人がこの「Saint Sylvestre」なんですね。
「réveillon du jour de l’An」より耳にすることが多いので、ぜひ覚えておいてください。
クリスマスは家族で
フランスでの「クリスマスは家族で」とは、どこまでの家族のことでしょうか。夫婦?親子?三世代?
一般的には三世代が集まり、夫婦のどちらかの両親と過ごすことが多いよう。
しかし夫婦の両親どちらも一緒、その兄弟に配偶者も一緒、なんて大所帯で過ごすクリスマスも見受けられます。
ディナーの準備も大変なので、スーパーなどでクリスマスメニューを注文する場合もあります。
どちらにしても、大人がたくさんいるとプレゼントの数も増えるので、大家族で過ごすクリスマスは子供にも嬉しいもの。
こんなところも日本のお正月的だと思いませんか?
冬休み、日本とフランスの違い
日本の学校等の冬休みは、年末年始を中心に前後1週間というパターンが多いかと思います。外国の文化であるクリスマスは、祝日ですらありませんよね。
反対にフランスの冬休み(正確にはvacances de Noël クリスマス休暇)はクリスマスを中心に前後1週間が基本。
そのためお正月は祝日である元旦はお休みですが、2日から通常通りの生活が始まります。
日本人の感覚としては、せめて3日まで休みたいところ。フランスに住んでいると「寝正月」は実現できなさそうですね。
ちなみにフランスで冬休み「vacances d’hiver」というと、2月ごろの休暇を指すのでお間違いなく。